最近の傾向として家の外壁にサイディングを選ぶ方が多くなっている中で、使用する外壁材などや特徴をあらかじめ知っておけば外壁工事の仕事についてからの成長の手助けになると思います。
そこで今回の記事はサイディング工事で使われるサイディングボードについて深く解説していき、これから外壁工事の職人となる方の成長の一助になれば幸いです。
サイディングボードの特徴を解説
サイディングボードとは家の外壁に使われているボード型の外壁材で、工場で大量に作られたサイディングボードを外壁に貼り合わせるので施工にかかる時間が短くなり、費用も抑えられるのが特徴です。
サイディングボードをシーリングと呼ばれるクッションのようなもので繋ぎ合わせることで水の侵入を防ぎ、地震などによる揺れの負担を緩和するなど非常に重要な役割があります。
モルタルとサイディングの違い
モルタルとサイディングはどちらも優れた外壁材ですが、違いや特徴がいくつかあります。それぞれのメリットとデメリットをお伝えします。
サイディング
サイディングのメリットとしてはデザインとバリエーションが豊富な点です。また大量生産をするため初期費用を抑えることができます。
サイディングボードでの施工は基本的に貼り付けていく作業になるので、施工時間も短く耐火性に優れているのが特徴です。逆にデメリットはメンテナンスの頻度が高く、熱が蓄積しやすいといった点です。また素材自体に防水機能はありません。
モルタル
モルタルのメリットとしては耐火性・耐久性に優れていて、劣化しづらい点です。職人の手作業で仕上げるのでデザイン性や自由度も高いです。
デメリットは表面がひび割れしやすく、表面に凹凸をつける仕上げ方法にすると汚れやカビ・コヶが発生しやすくなる点です。また仕上げる職人の技術力によって質に差が出てしまうことがあります。
サイディングボードにはどんな種類がある?
サイディングボードの種類は4つあります。それぞれ特徴をみていきましょう。
①窯業系サイディング
窯業系サイディングとは、セメント質のものと繊維質を混ぜ合わせて作られている板のことをいいます。最近よく使用されているほとんどのものが窯業サイディングです。
こちらはデザインが豊富にあり、シンプルなものからタイル調のもの、レンガ風のもの、石積み調のものまで様々です。とても人気が高く、外壁に選ぶ方が多いサイディングボードです。
そしてさらに、セメント質を混ぜ合わせることによって衝撃に強くなり地震や火にも強い性質があるので、安全にも特化しています。汚れにくいコーティングをすることもでき、そちらも選ばれるポイントになります。
価格も比較的安く済み、4つの中で1番人気のあるサイディングボードです。
②金属系サイディング
金属サイディングとは、ガルバリウム・アルミニウム・ステンレスなどの銅板を使用しているサイディングです。
基本となる材料が金属で、先ほどの窯系サイディングに比べると長期間メンテナンスの手間がなくなります。
金属自体が水を吸うことがないため浸水することもありませんし、耐天候性もあることから気温の変化が激しい地域で使用することがおすすめです。
金属のイメージは無機質だったり冷たいと思いがちですが、最近の技術の進歩によりタイル調やレンガ風のデザインが増えバリエーションが豊富になってきています。ただ金属ということもあり、価格は高めになります。
③木材系サイディング
木材系サイディングとは、そのまま木を使用したサイディングです。
天然の木に塗装を施して仕上げていくので、木目の外壁でログハウスのようにすることもできます。実際の木を使用するため同じデザインになることがなく、耐熱性に優れているのが特徴です。
ただ天然の木を使用しているので水には弱く、水分を含んだ状態が続いてしまうと木が腐ってしまいます。なので定期的な再塗装をするなどメンテナンスが重要になります。
窯業系サイディングと比べると価格は高いです。
④樹脂系サイディング
樹脂系サイディングとは樹脂で成型されているサイディングボードのことで、塩害や凍害などに強く耐天候性に優れているのが特徴です。
日本ではあまり主流ではないですがアメリカでは外壁の50%をこの樹脂系サイディングが占めています。さらに窯業系サイディンに比べて重さが約10分の1の軽さなので工事がとてもしやすく、壁自体を軽くできることから家への負担が軽減することができます。
さらに軽く薄いというメリットを活かし、現在の外壁の上から施工することも可能です。ただ遮音性は他のサイディングに比べて劣ってしまうので、そこがデメリットと言えるでしょう。
材質ごとの耐用年数やメンテナンス時期
サイディングボードは経年劣化があります。それぞれの耐用年数とメンテナンス・交換目安をお伝えします。
①窯業系サイディング
窯業系サイディングの耐用年数は40年です。ただし撥水機能が落ちるとコケ・カビが発生しやすくなり耐用年数も短くなるため定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスの周期は7~8年です。
②金属系サイディング
金属系サイディングの耐用年数は40年です。ただし経年劣化でつなぎのコーキングがはがれたり、塗装面にチョーキング現象が発生することがあります。メンテナンス周期は10~15年です。
③木材系サイディング
木材系サイディングの耐用年数は15~30年です。木材のため吸収性が高い性質上、劣化しやすいのが特徴です。メンテナンス周期は8~10年です。
④樹脂系サイディング
樹脂系サイディングの耐用年数は25~30年です。基本的にはメンテナンスはほぼ不要です。