サイディング職人は特別な資格がなくても始められる職人の仕事です。
しかし、これからサイディング工事の職人になりたいと考えていても、実際にどんなふうに施工するのか知らないのは不安ですよね。
この記事ではサイディング工事の施工方法について詳しく説明します。
サイディング工事という仕事について
サイディングとは建物の外壁に使用する外壁材の一種です。
工場生産ゆえに高品質で均一化された性能とデザインの多様性で多くの住宅に使われているのが特徴です。
サイディング工事は建物の骨格に合わせてサイディングボードを加工して貼り付け、張り付けたサイディングボードをシーリング材でつないでいく工事のことをいいます。
サイディング工事の施工方法
サイディング工事ではメンテナンスと壁材を新しく取り換える工事が主な業務であり、ひび割れや塗装の剥がれといった劣化症状が見られたら、工事をする必要があります。
通気工法
通気工法は、現在日本で主流となっている施工方法です。
壁に防水シートを貼り、その上に胴縁と呼ばれる部材をかませ、サイディングと防水シートの間に隙間を持たせます。
これにより空気の通り道が確保でき、外壁内部の結露やカビなどの劣化の原因が防げます。
ただし、通気工法は壁から浮かせてサイディングを貼るため、直貼り工法に比べると強度が弱いです。
また、釘などの部材にかかる負担が大きくなるという欠点もあります。
直貼り工法
直貼り工法は、まず壁に防水シートを貼り、その上からサイディングを直接貼る方法です。
防水シートとサイディングがしっかりと密着するため強度が高い上、コストが抑えられ比較的簡単な施工法といえます。
ただし、直貼り工法は壁の内部に空気の通り道がないため、湿気が内側にこもりやすいのが難点です。
湿気が溜まり続けると、サイディング表面に膨れが見られる場合もあります。
張り替え工事
劣化が進行している場合には新しくサイディングボードを張り替える工事をしなければなりません。
新しく張り替える工事には、既存の外壁の上から張る重ね張り工事と、サイディングを張り替えてしまう張り替え工事があり、予算や劣化の具合に応じて変わっていきます。
サイディング工事には資格は必要?
サイディング工事をするにあたって、特別な資格は必要ありません。
しかし、取得しておくと有利な資格がいくつかあるので一緒にみていきましょう。
建築板金技能士
建築板金技能士は国家資格の技能検定の一種です。
全国の都道府県が実施しており、建築板金施工に関する学科と実技試験で合否をおこないます。
この資格がなくても建築板金工事業の仕事をおこなうことはできますが、この資格を持っていると技能を証明することが可能です。
建築板金技能士1級、建築板金技能士2級、建築板金技能士3級の3つのランクがあり、それぞれ試験内容が異なります。
NYGサイディング施工士
NYGサイディング施工士とは、窯業系サイディングの技能を証明する資格です。
窯業系サイディング施工士職に3年以上従事している方が受験資格保有者となります。
4者択一50問の学科試験が60分、施工実技と標準施工法チェックのふたつが含まれた80分の実技試験があります。
金属系のサイディングの場合は板金施工ですが、窯業系サイディングの場合は、こちらの資格が有利になるでしょう。
施工管理技士
施工管理技士の資格は建設業の許可の取得や、大きい仕事(工事費用が1000万円以上)を請けるために必要な国家資格です。
1級と2級ともに学歴によって必要な実務経験が異なります。
取得には条件も厳しく、難関資格であるため資格保有者も少ないため、
将来的に一人親方としてサイディング工事業を拡大してく際には取得していて損はない資格といえます。
サイディング工事で使用する道具とは
サイディング工事をする上でどんな道具が必要なのか気になりますよね。
最低限必要な道具は以下になります。
丸のこやノコギリ
サイディング材をカットするのに使います。
木材もすぐに切れるので現場に一つあると便利ですので、ぜひ揃えましょう。
インパクトドライバー
サイディング材を固定するのに使います。
現場には必須の道具です。
コンベックス
部材の長さを測るのに使います。
こちらも工事現場には必須の道具です。
ヘルメット
工事現場では何が起こるかわかりませんので、ヘルメットは常備しておくことをお勧めします。
シーリングガン
サイディング材を接着するのに使います。
水平器
部材の垂直や平行を取るために使います。